映画 青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない 感想
というわけで6/23の封切り早々 「劇場アニメ 青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない」 を見てきました。今日はその感想を書いてみます。多少ネタバレしているので気になる方はここでブラウザバック推奨します。
公式
劇場版
原作
あらすじ
Prologue
プロローグ高校二年生の三学期を迎えた梓川咲太。
三年生の先輩であり恋人の桜島麻衣と、峰ヶ原高校で一緒に過ごせる学生生活も残り僅かとなった。
そんななか、長年おうち大好きだった妹の花楓は、誰にも明かしたことのない胸の内を咲太に打ち明ける。「お兄ちゃんが行ってる高校に行きたい」
それは花楓にとって大きな決意。
極めて難しい選択と知りながらも、咲太は優しく花楓の背中を押すことを決める。『かえで』から『花楓』へ託された想い。
二人で踏み出す未来への物語。
ということで今回は花楓メインの話ですね。
事前情報
これまでの劇場版とアニメはひととおり視聴済みです。原作は直近2作くらい積んでますが、それ以外は読んでました。なので一応先の展開は知っていたはずなんですが、この映画の原作を読んだのはもう何年も前なので正直あまり覚えてなかったです\(^o^)/映画を見る前に原作読み直そうかとも思いましたが、結局読み直しを忘れててそのまま映画館に行きました。
ちなみに前作の感想
前作「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」の映画を見た際の感想は、原作よりかなり展開がマイルドになっているなあというものでした。あとこれはもうしょうがないんですが、カットがえげつなかったです。大筋は原作どおりなんですが、ここはカットしないでほしかったなーってところがいろいろ足りなかったです。僕みたいな原作厨がいると制作も大変ですね。
その顕著な一例ですが、原作だと麻衣さんの事故から翔子さんが登場するまでの溜めの展開のボリュームが誇張抜きにして桁違いに長く、比べると映画はこのへんの描写がめちゃくちゃカットされていました。映画は咲太が思ったよりすぐ立ち直っちゃったので正直少し拍子抜けしましたが、原作のほうは咲太のボロボロっぷりがすごかったです。たしか1章分4〜50ページほどまるまる咲太が廃人化してた覚えがあります。告別式に行く前の話とか、他にもいろいろスーパー絶望タイムがカットされてました。
ゆめみる少女原作が麻衣さんの事故で終わっていて、そこから続刊まで4ヶ月ほど空いて、やっと続きが読めるとウキウキしながら新刊を読み始めたら冒頭から4分の1ほどまでずっと廃人咲太の描写が続いたときはなかなかくるものがあった覚えがあります。
ということで映画に感じたのはそんなかんじでしたが、それ以外は素直に原作を踏襲しているように見えました。強いて言うなら個人的には時間軸間の状況というか、どこからどこまでが誰の思春期症候群によるものなのかが原作でさえ若干説明が足りないと感じたので、そのへんが映像でうまく補完されるかなーと期待していたんですが良くも悪くも原作どおりだったのはちょっと残念でした。あえて細かくは語らなかったってことなんですかね。
以上から今回も基本的には原作を踏襲していくかんじになるのかな、とは思っていました。
感想
面白かったです。
花楓の症状って、実は解離性同一性障害と思春期症候群のダブルパンチでけっこうヘビーなんですよね。別人格が現れたのが前者によるもので、誹謗中傷の書き込みを見ると体に痣ができるのが後者によるもの。
で、そのうち、解離性同一性障害については本人格が戻ったということである程度快方に向かっているとは言えますが、痣がまだ出てくるってことは思春期症候群は根本的には解決していない、が現在の状態と思われます。なので実は大変なのはこれからなんでしょうね。
映画としては万事めでたしではなくて、これからに向けて味方が増えたり、気持ちが前向きになれたり、ってところで締めていていい塩梅なんじゃないかと思いました。おるすばん妹の夢を見ないのときもそうですが、花楓関連の話はどう進んでも戻ってもある程度ビターなので人間ドラマとしては見応えありますね。ただ、いつもこういうのばかり見てると疲れるので反動で脳死で見れるようなおバカな作品が見たくなったりもします。
その他
そんなかんじで映画には概ね満足はしているんですが、
ちょっと思ったのが今回のは映画向きの話ではなかったのかなーとは思いました。
映画向きと思わなかった理由としては
- それなりに山場はあるけど、そもそもそこまで大きな事件(イベント)がない
- つまるところ花楓の受験の話だけだった
- 思春期症候群はかなり控えめ
- 花楓の痣は出てますが、絵的な動きは今までと比べるとあまりない。SF要素を求めている人にはちょっともの足りないかも。
- ちょっとボリュームが少なかった気もします
- 小説2冊分使った前作と比べると今回は原作1冊分なので、そもそも原作的にも前回より短い
という点です。まあなので映画の出来がどうこうってわけではないです。
特に思春期症候群による動きがほとんどないので、あまり劇場版映えはしないのが大きかったですね。シンプルな人間ドラマにフォーカスされていたと思います。
前作映画の「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」が原作でも2冊つかった、かつシリーズ最大の山場の映像化だったこともあって、比べると今回は劇場版としてはちょっと物足りなかったなというのが正直な感想です。そもそも大きな伏線は前作までで回収して、物語も綺麗に着地し終わっていましたし、今回はエピローグその1というかんじなんでしょうね。
とはいえ前項で書いたとおり映画はすごくよかったので満足度は高いです。
次回作
さて、花楓の話が一段落したところで、かねてから予告されていた咲太自身がメインになる 「青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない」 も公開が決まってます。冬公開らしいですが、早くて年末ぐらいでしょうか。
今作はあまり映画向きではなかったのでは、と書きましたが、逆に次回作はもう少し映画らしい展開になると思います。一応これで高校生編が完結ということになるはずなので、映像化もこれでいったん終了かなーと思っていたんですが、今回の映画の中で花楓の話には全く関係がないので入れる必要がないはずの大学生編の伏線と思しき描写があったのが気になります。詳しい内容は伏せますがこれをカットしなかったってことはもしかして大学生編もやるんですかね。
大学生編も面白いとは思うんですが、少々蛇足感は否めないので個人的には次回で終わりでいいと思ってます。どうなるんでしょうね。
というわけで気が向いたら次回、「青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない」の感想日記でお会いしましょう。
積んでいる大学生編の原作もこれを機に読んでみようとおもいます。